東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所

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受賞・プレスリリース

  • 2026.06.11

空間可変型の超分子サブナノチューブ

東京科学大学(Science Tokyo)物質理工学院 応用化学系の倭秀介大学院生(修士課程2年)と同 総合研究院 化学生命科学研究所の田中裕也助教、吉沢道人教授らは、作製後に空間形状を簡便に改変できる超分子チューブを開発し、その空間形状に依存した光物性の観測に成功しました。

金属イオンと有機配位子の相互作用によって作製できる超分子チューブやケージは、その内部空間の形状やサイズにより分子の捕捉や性質の調節を可能にします。金属イオンと有機配位子の混合により簡便に作製できることから、既に数百を超えるさまざまな超分子構造体が報告されています。しかし、その相互作用の弱さのため、それらのほぼ全てが、「作製後」に構造を改変できません。用途に合わせた内部空間の調整や変更が必要な場合、超分子構造体の再設計や再作製が必要でした。そこで本研究では、構造体を作製後に、構成している金属イオンまたは有機配位子を化学修飾することで、内部空間の形状と性質を改変できる新たな超分子チューブの開発を目指しました。

研究グループは、金属イオンとなる塩化白金と芳香環パネルを含む有機配位子を混合することで、サブナノメートルサイズの筒型空間を持つ超分子チューブを作製しました。このサブナノチューブは既報の超分子よりも強い相互作用でできているため、作製後に配位子部位への選択的な酸素付加反応により、定量的かつ可逆的に樽型チューブに変換できました。また、金属部位への効率的なキラル官能基の導入反応で、キラルチューブへの変換にも成功しました。作製した3種類の超分子チューブは水中で、蛍光性の色素分子を捕捉して、空間形状に依存した光物性が観測されました。以上のように前例のない、超分子の"作製後の構造改変"とその"空間機能の開発"を達成しました。

本研究成果は、米国化学会の国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」に4月8日付で掲載されました。

論⽂情報

●掲載誌 Journal of the American Chemical Society(ACS)
●掲載日 2026年4月8日
●タイトル Cavity Constriction and Chiralization of Polyaromatic Subnanotubes via Post-Assembly Ligand/Metal Modification
●著者 倭 秀介・互井孔貴・田中裕也・* 田内大喜・長谷川真士・吉沢道人*
●DOI 10.1021/jacs.6c02007

関連情報

Science Tokyo News 空間可変型の超分子サブナノチューブ
プレスリリース 空間可変型の超分子サブナノチューブ--作製後の構造と機能の簡便改変に成功--(PDF)

吉沢・澤田研究室
物質理工学院 - 応用化学系
総合研究院

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